質問です。
お持ちのカメラや機材、いつ買ったものですか?
2008年
その後の映像業界が大きく変動していくカメラがキヤノンから発売された。
EOS 5D Mark II
この機種を皮切りに、続いてEOS 7D。
バリアングルを搭載したEOS 60D。
これらの機種がきっかけとなり、一眼ムービーがTV-CMをはじめ、劇場映画やインディーズムービー。
さらにはブライダル業界などにも多く導入されて行きました。
その10年後……
2018年1月
とうとう一眼ムービーはプロユースに応える業務用カメラへと進化を遂げました。
Panasonic GH5S 発表。
購入の有無を問わず、多くの映像作家にその存在感を轟かせたであろうカメラの登場は、まさに10年前に登場したEOS 5D Mark IIの登場時の衝撃と同じなのではないだろうか……
さて、本日の議題。
「お持ちのカメラや機材、いつ買ったのか」について……
ここ数ヶ月、公私問わずこのような質問を頂くことが増えました。
「やっぱりCanonからSONYかPanasonicに乗り換えた方が良いですか?」
「Nikonは動画としての選択肢からは外れますよね……」
「一眼ムービーはクライアントが不安になるので、やっぱりミドルレンジのシネマカメラか、リグを組むしかないですよね!?」
「そろそろシネマレンズくらい持っていないと……」
「趣味で映像やってるレベルの人がαシリーズとかGHシリーズ持っていても宝の持ち腐れ……」
果たしてそうでしょうか?
今、機材が大きい=高い性能・良い映像が撮れる!
という時代ではなくなって来ました。
プロや業者を名乗っている人達よりも、自主制作で映像を楽しまれている方の方が、もっと面白く、より良い映像作品を制作する事など沢山ありますし、むしろ普通です。
機材面でプロとアマチュアの間に大きな差が無くなった今、「どれだけ一つの映像に対して力を注げるのか」が一番大切になのではないかと私は思います。
そうなると、良い機材を高い金額で買うのではなく、自分の直感に応えてくれる機材を選ぶ方が良いのではないでしょうか?
セットアップに必ず5分掛かってしまう機材よりも、バッグから取り出してすぐに撮影出来る機材の方が使いやすい方もいらっしゃいます。
長時間歩き回って撮影をする方は、より軽くコンパクトな機材を選ぶでしょう。
また、業務でカメラを使っていない方は、ハック系の選択肢もあります。
Canonユーザーの方は”Magic Lantern”があります。
PanasonicのGH3ユーザーもハックファームウェアがあります。
SONYのαシリーズのカメラで長回しをしたい方は、長回しが可能となるアプリケーションがあります。
高感度に強くないなら日中使えばいい。
ビットレートが低いなら外部収録機器を使用するか、記録的な撮影に使えば良いのです。
自分が持っているカメラや機材の良い所を見つけ、それを活かせば良いだけなのです。
私はCanon EOS KISS X4を人生最初に購入しました。
デメリットはいくらでもあります。
・高感度に弱い
・オーディオレベルの制御が出来ない
・バリアングルではない
・ビットレートが低い
・HDMI出力時に表示内容が全て出力される
などなど……
しかしメリットとなる部分もあります。
・軽量、コンパクト
・APS-Cなのでレンズの選択肢が増える
・Magic Lanternの導入が可能、容易
こうなると、基本的にがっつりとしたグレーディングが必要な撮影には向きませんし、CMやMVなどには向かないでしょう。
しかし、日常の記録や日中のシーン。もしくは照明を組んで撮影出来る場合などのサブカメラ・呼びカメラとしては活用できるのではないだろうか。
本体自体が小さいのでバックの中に忍び込ませておくには最適なサイズです。
こじつけでしょうか?
……そうですね。確かにこじつけかもしれません。
しかし、今持っているカメラを最大限使いましたか?
限界を超えさせる程使い込みましたか?
多くのユーザーは目新しい物に惹かれ、もっと良いフォーマットを求める。
その代わりフィルムカメラで原点回帰。
じゃぁその間に生まれたコンデジやデジタル製品は時代遅れなのか……
新たにSONY α7s IIを使って映像制作をしている人や、GH5を使ってCMを撮影している人よりも、時代遅れなコンデジやデジタル一眼等でもっと面白く映像的にも素晴らしい作品を残している方は多くいらっしゃいます。
・どんなカメラも機材も戦える武器になる。
・今の機材で新しい機材を持っている人に立ち向かう。
・自分の持つ物の良い点を伸ばそう。
・とはいえ、もちろん性能面では新しい方が優れているに決まっている。
・私は如何なる時も、負けず嫌いが大好きです。
なんて言っておきながら、GH5SとRED Cinema Camera……とても欲しいんですけどね。本当に。
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